【映画】G-1.0(ゴジラマイナスワン)感想

映画

前情報全くなしで観に行きました。
泣きました(´;ω;`)
音楽の迫力もすごかったです。
映画館で観てよかった。

G-1.0のゴジラは「戦争」

G-1.0のゴジラは「戦争」そのものを表していると思いました。

初めに大戸島に現れたときは、まるでジュラシックパークのT-レックスみたいな単純に恐ろしい「生き物」だったのに、
アメリカの核実験以降のゴジラは巨大、破壊的、絶望的で、原爆と同じようなビームも出すようになっていた。

もう、戦争がそういうもの、「核戦争」になった事を表しているのかなと思いました。
やけに人を狙って攻撃しているように見えるのもそのせいなのかな。
「戦争」は相手を倒すことが目的だから。

少なくとも、敷島にとってはゴジラと戦争は同一のものだったと思います。

今回のゴジラはなぜ東京に?

銀座にゴジラが上陸したのは、
「大きな建物を破壊する映像のため」もあるかもしれないけど、
「東京に原爆が落とされたらどうなるか」を感じるためだと思いました。

ゴジラのビームは単なる大爆発ではなく、原爆みたいで。

発射される様を人々は棒立ちで眺めて、
巨大なキノコ雲と同時に瓦礫が吹き飛び、
強烈な吹き戻しで人も瓦礫も全て吸い込まれて
その後に黒い雨が降る。
高層ビルや歴史ある建物がたった一発の攻撃で何もなくなる。

観ていて原爆だとしか思えなくて、妙にリアルで気持ち悪いくらい怖かったです。

敷島が「俺の戦争が終わっていない」と言っていたのは、
自分の中でのトラウマや後悔にケリがついていないのと同時に
実際に目の前に「戦争」そのものが生きていて、
いつまた襲われるか分からないことも意味しているのかも。

海神作戦

そんな存在のゴジラへの対抗策が「海神作戦」。
兵器も軍隊もないから、自然の海の力でゴジラを倒そうとする。

多分、戦争に対して兵器で挑もうとすることは、意味がないというか逆効果だからだと思う。

大戸島でも整備兵が発砲したからゴジラが襲ってきたし、
海神作戦でも、敷島が囮になって煽ったり発砲したからゴジラも怒って応戦してきた。
「戦争」では、悪化するだけ。

困難に対して、誰かを犠牲にして力でねじ伏せるんじゃなくて、
みんなで協力して考えて、生きて対処するべき•••そういうことかなあ。

戦いの後の敬礼

最初、特攻した敷島へのものかと思ったけど、
みんなの目線は空の落下傘ではなかったので、ゴジラを向いていたのかなあ。

「戦争」そのものを倒して終わらせたけど•••
その場にいるほとんど全員が第二次世界大戦に参加した当事者で、
戦争は破壊して命を奪う恐ろしいものだけど、
戦争は人が引き起こすもので、戦争の中にはたくさんの犠牲者がいて。
ゴジラ自体と、多くの犠牲者へ向けての敬礼だと思いました。

でも最後、ゴジラは再生し、エンディングでは足音と雄叫びが響き、
ゴジラはまだ生きている。

日本の戦争、敷島の戦争は終わったけれど、
現に今も世界では戦争が続いていて無くなってない。

ゴジラはまだいて、いつどこであのビームを撃つのか、分からないまま•••
そんな世界は嫌だなあ•••

気になるところ

最後、典子は生きていたけど
背中に何か黒いアザみたいなものが•••
何かの伏線なのか、気になりました。

あと、映画としては説明は少し多かったかな?
典子が敷島をビルの陰に押し込めるところのスローと、
橘さんの脱出装置の説明はなくても伝わるかなあ、と思いました。

音楽がとってもよかった

ゴジラが破壊するときの音楽が絶望的すぎて恐いくらいなのがとってもよかった!
メロディっていうよりは、音の重厚感で押しつぶされるみたいな。
聞いてて「やめて~•••」ってなるくらい、気持ち悪くなるような圧がものすごかったです。
あの音の感じは絶対映画館で味わった方がいいと思います!

緊迫感のあるバイオリンが印象的な曲は、なんでか永遠の0を思い出しました。

そしてやっぱり、ゴジラのテーマはいい。

音楽、とってもよかったです。

シン•ゴジラとのちがい

シン•ゴジラが好きなので、つい考えてしまったけれど•••
同じゴジラを扱っているけれど、テーマは全く違う別物だと思いました。

G-1.0は「戦争」「原爆」。
シン•ゴジラは「神に近い存在」なので、それによる被害は「災害」。

改めてシン•ゴジラも観たくなりました。

まとめ

戦争や核兵器は、ダメ。
それに尽きます。

敷島は生き残ったのに、「生きている事を許されない」「生きているのかもわからない」と苦しみ続けている。
なのに戦争に行ってないひとは簡単に「もっと戦争が続いていればなー」なんて言っちゃう。

安全圏にいる部外者にとってはそんなもの。
でも、当事者や被害者にとっては戦争とはあのゴジラのようなもの。

絶対にあってはならないものです。

世界が平和であってほしいと思う映画でした。

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